1.増加する在住外国人
日本政府が外国人労働者の受入れ拡大支援をしていることもあり、在留外国人は2019年末時点で過去最高の293万人となっています。
なかでも在留資格別で大きな伸びを見せているのが「技能実習」と「技術・人文知識・国際業務」であり、いわゆる就労目的の方々となります。
技能実習:+25.2%(410,972人)
技術・人文知識・国際業務:+20.5%(271,999人)
異なる言語、宗教、慣習等社会的背景を持つ外国人が、地域社会・日常生活に円滑にとけ込む上で、特に重要とされるのが日本語教育です。
共通の言語は相互理解を深める最良のツールです。
外国人の日本語能力が向上すれば、地域社会との円滑なコミュニケーションが図られるだけでなく、日本の文化や慣習に関する知識など得られる情報量も増加します。また、就労に必要となる知識や技能も身につけ易くなり、職場における労働生産性の向上も見込まれます。
2.日本語教育の現状
しかし現状では、教育体制の整備は決して十分とは言い難い状況となっています。
文化庁の調査によりますと日本語教育機関・施設等は2,290施設、日本語学習者は259,711人、日本語教師は41,606人であるといいます。

出典)文化庁:平成30年度国内の日本語教育の概要
日本語教育機関・施設等、日本語学習者、日本語教師全て増加傾向にありますが、直近5年間の年平均の増加率は日本語教師:6.1%に対して、日本語学習者数は同10.5%と倍近い差が生じています。
3.在住外国人の日本語に対する意識
また同じく文化庁が発表している在住外国人の方が日本語に対する意識の実態調査によりますと、約90%の方が何らかの方法で日本語を意識的に学習していると回答しており、多くの方が地域の日本語教室やボランティアの方から指導してもらっています。

出典)文化庁:日本語に対する在住外国人の意識に関する実態調査
しかし、通っている教室について33.2%の方がもっと通える時間帯を増やしてほしいという要望を持っており、日本語学習者数に対して日本語教師数が追いついていない現状が垣間見えます。

出典)文化庁:日本語に対する在住外国人の意識に関する実態調査
4.オンラインの活用でもっと手軽に日本語教育を
現在、日本語学習の主流は地域の日本語教室や日本語学校ですが通える範囲も限界があり、今後外国人の日本語教育にも地域の教育格差が生まれてくる可能性もあります。
日本語学習もオンラインにすることで誰でも手軽に学習ができ、地域社会・日本文化に溶け込める外国人の方々を一人でも増やしていける機会を提供していきたいと考えています。