Journal

2021 Jun 23
Helte's Story

Sailer journeys story_11

チェロの音色に惹かれ3年前から習い始めた

Sailで人生に変化が

シューさん(50代) 台湾・新北市

Sailを始めて私の人生は少し変わりました。日本にお友達ができるなんて、今まで想像もしていませんでした。人見知りする性格の自分が、いつの間にか知らない人とも平気で話せるようになっていて、そんな変化にも驚いています。Sailって初めての方でも、まるで以前からの知り合いのように話せます。それが不思議なんです。Sailがなければ出会うことはなかった皆さんとたくさんの出会いをいただきました。Sailには、ほんとうに感謝です。

思い出に残る京都の桜

アニメやテレビドラマを通して、日本には子供の頃からずっと関心を持っていました。特に高校生の頃は「non・no(ノンノ)」とか、日本のファッション雑誌に夢中でした。
日本にはこれまで5回旅行していますが、初めて行ったのは20年ほど前です。両親と叔母、私の4人で京都へ桜を見に行きました。友人から京都の桜が素晴らしいと聞いて、ずっと行ってみたかったのです。私が家族を誘って出かけました。
4人で「哲学の道」を散歩し、清水寺にも行きました。ちょうど満開だった桜がほんとうにきれいで、両親や叔母もとても喜び、思い出に残る旅になりました。
2度目はそれから10年ほどたった2009年の春です。実はこの時、父親にがんが見つかっていました。その父がもう一度、京都の桜を見たいと言い出して、両親と私、当時交際中だった夫と4人で再び京都へ行きました。父の念願だった「哲学の道」を皆でゆっくりと歩きました。この時も桜は満開でした。父はとても喜んで、ああやっぱり来てよかったと、思えた旅でした。父は翌年、亡くなりました。以来京都は、父との思い出があり過ぎて、いまだに行けないでいます。

両親と今の夫と4人で2度目の京都へ

ああ、あんなにカッコよく日本語を話せたら

私はその1年後に結婚しました。夫にハネムーンはどこへ行きたいと聞かれ、即日本と(笑)。私は日本のラーメンが大好きなんです。ハネムーンは東京・新宿のホテルに泊まって、今日はこの店、明日はあの店と、有名ラーメン店巡りを楽しみました。でもこのころ日本語はまったくできませんでした。
あるラーメン屋さんで、ネギが欲しくて英語でそれを伝えたのですが、店員さんにまったく通じませんでした。困っていると、たまたま近くに台湾の女子留学生がいて、さっと通訳してくれました。それがすごくカッコよかったんです。その時、ああ自分もあんなカッコよく日本語を話せたらと、強く思いました。
こんなこともありました。浅草でおせんべいを買った時です。私はさっそく食べながら歩き出そうとしました。すると店の人が何か言ったのです。私は意味がわかりませんでした。後で気づいたのですが、多分お店の人は、「ここで食べていいですよ」と言ったと思います。台湾では、何か食べながら街歩きしたりしますが、日本でそれはマナー違反でしょ。ああ日本語がわかったら、そんなことしなかったのにと、後で恥ずかしくなりました。

ハネムーンで東京へ。2011年6月

台湾に帰ってから、一念発起してインターネットの日本語講座で勉強を始めました。でもその講座は、文法などが中心で会話の勉強はありませんでした。難しくて半年ほどであきらめてしまいました。
その後しばらく日本語からは遠ざかっていたのですが、ちょうど一年半ほど前です。たまたまSailを紹介する台湾の方のブログをインターネットで見ました。ああ面白そう、ちょっとやってみようかなと思いました。それがSailとの出会いでした。
最初の会話は、アメリカに留学中の日本人の女の子でした。私はもう緊張で心臓がドキドキして死ぬかと思うくらいでした(笑)。単語をつないで、筆談と英語も交えながら自己紹介や、どうして日本語を勉強したいのか、などをなんとか伝えました。あまりに大変だったので、その時はもうやめようかと思いました。でも、ここであきらめてはもったいないと気を取り直して、もう一回挑戦しました。
日本の皆さんはほんとうにやさしいです。私がそんな状態なのに、我慢強く会話の相手をしてくれました。全然そんなことないのに「日本語お上手ですよ」って、ほめて励ましてくれたり。それで私も、もうちょっと頑張ってみようかなと思うようになりました。
やっているうちに少しずつ慣れて、話せるようになってきました。あれから一年半、今では毎日会社のお昼休みに、日本の皆さんとおしゃべりを楽しんでいます。私は建築資材の輸出入を行う貿易会社で働いていますが、仕事の関係でたまたま個室を与えられているので、お昼休みに自由に話すことができるんです(笑)。いつも早めにお弁当を済ませ、お昼のSailタイムを楽しんでいます。

ハネムーンは、ラーメン店巡りなど東京の街歩きを楽しんだ。東京・原宿駅で

同世代の女友達も

定期的に話す方もできました。86歳で一人暮らしのおじいさんとは、いつもたわいのない世間話をします。コロナ禍で人と話す機会があまりなくなってしまったと言って、私との会話をとても喜んでくれます。
日本語を熱心に教えてくださる方もいます。同じ日本のミステリー小説を読んで、意味が分かりにくいところを私が尋ねたりします。飲食店のメニューを送ってくれて、それを見ながら客と店員になったつもりで会話をしたり、とても楽しいです。
ほぼ同世代の女友達もできました。その方とはコーヒーを飲みながら話したり、家でビールを飲みながら話したり(笑)。話題はほんとうにいろいろです。お互いの家族の話とか、たまに私の悩みを聞いてもらうこともあります(笑)。実は、日本語を勉強している私の友人にもSailを紹介しました。今は彼女もSailを通して、その方とお友達になりました。台北におしゃれなコーヒーショップがあるので、そこに友人と2人で行き、3人でSailをしたこともあります。周りの景色もお見せしながらのおしゃべりは、まるで一緒にコーヒーショップに居るようでとても楽しかったです。その方は、コロナが収束したらぜひ台湾に来たいと言っているので、私の友人と3人でおいしいビールを飲むのが今からとても楽しみです(笑)。
Sailのオンライン喫茶にもぜひ参加してみたいです。ただ、仕事の関係で時間が合わないので、参加できそうな時間帯にもあるとうれしいですね。最後になってしまいましたが、日本の皆さんには、台湾にワクチンを送っていただきほんとうに感謝しています。今はまだお互いに大変な状況ですが、コロナが収束する日は必ず来ると思います。それまで一緒に頑張りましょう。

(聞き手・ジャーナリスト橋本節夫) 

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