1. 日本語学習者、教育機関の推移
海外の日本語学習者は日本での就業・留学、アニメ・漫画への関心や日本への観光旅行といった目的で再び増加傾向にあり、2018年の学習者数は385万人も登ります。

参照:国際交流基金 海外の日本語教育の現状 2018年度 日本語教育機関調査
日本語教育は世界142の国や地域で実施されており、18,661件もの教育機関が存在しています。
日本語は言葉の通り母語にしている国は日本だけであり、世界の70億人という人口の中で1億人しか主要言語として使っていない言葉ですが、意外にも世界で学んでくれている方はたくさんいます。


参照:国際交流基金 海外の日本語教育の現状 2018年度 日本語教育機関調査
日本語学習者、教育機関を地域別に比較をするとは中国・韓国・台湾といった東アジアとインドネシア・タイ・ベトナムといった東南アジアが大きな割合を占めています。
特に東南アジアでは2015年から学習者、教育機関共に大きく増加しており日本で就労・留学の人気が窺えます。

参照:国際交流基金 海外の日本語教育の現状 2018年度 日本語教育機関調査
2. 日本語教師数、教育環境の現状
一方、日本語教師数はまだ課題が残っています。
教師数の母数は学習者の増加と共に増えては来ています。

参照:国際交流基金 海外の日本語教育の現状 2018年度 日本語教育機関調査
しかし一つの教育機関あたりの教師数は4.1人であり、教師1人あたりの学習者数は49.8人となっており、絶対数はまだまだ不足しています。
また、その内日本語母語教師、つまり日本人の教師は21.0%のみとなっています。
教師の方の多くが日本で留学や就労経験がある方なので単語や文法を教えることはできますが、それでもやはり日本語のネイティブスピーカーである日本人よりは発音、語彙等のスムーズなコミュニケーションに必要な要素は不足しがちとなります。
また一人の教師の方が多くの生徒を教えるので、どうしても教科書を用いた画一的な座学が中心となり、コミュニケーションに必要な「話す」「聞く」といった時間も十分に取れておりません。
これは日本人が英語を学ぶ状況と似ているところもあります。
日本人は中学、高校、大学と10年間英語を学んでも英語でスムーズにコミュニケーションが出来る方はごく僅かなのが現状です。
しかし、単語や文法は日常会話レベルなら十分に話せる程度学んでおり、多くの方が受験のために必死で覚えたはずです。
では、なぜ実際の英語での会話となるとコミュニケーションが取れないのか。
それは英語を話せる方との「話す」「聞く」といった実践経験が圧倒的に不足していることに他なりません。
3.国境を越え始めた教育
日本ではオンラインで英語のコミュニケーションを学べるサービスが人気です。
インターネットの普及によりネット通販が生活に身近なものになり、モノやサービスは国境を超えることが当たり前になりました。
教育でも同様の現象が起きています。
先述しましたように海外の日本語教育環境は決して十分とは言えません。
しかし、日本には日本語のネイティブスピーカーの方がたくさんいらっしゃいます。
日本語教育もオンラインで国境を越えることで、現在、将来のために日本語を学んでいる方の助けになるかもしれません。
それにより来日後すぐに生活や仕事や学校に馴染め、お互いにとってより良い未来が訪れるはずです。